
概要
データを消去したいSSDがSATA形式で、USB-SSDケースで外付けできる場合、TxBENCHを使ってSecure Eraseできる可能性があります。
TxBENCHはWindows上で使えます。GpartedやUbuntuに慣れない人も手を出しやすいかと思います。。
TxBENCHでのSSDデータ消去はSATA形式のみが対応しています。現在主流になっているNVMe SSDには対応していません。
データ消去したいSATA-SSDをWindowsパソコンに外付けして作業します。そのため、1台しかないWindowsパソコンの起動ディスクをデータ消去したい場合には、この方法は使えません。
本来、USBで外付けしたSSDにSecure Eraseを行うのは難しいのですが、TxBENCHではできてしまいます。USBで接続したSATA-SSDはfrozen(SATA-SSD特有のロック状態)にならないので、TxBENCHではコマンドもすんなり通ります。
使用するUSB-SSDケースによっては、TxBENCHでのデータ消去が正常動作しない場合もあります。
また、データ消去が完了したように見えても、実はデータが消えていない場合もあるそうです。
よって、確実にデータが消去されるとは言い切れません。SSDを自分で再利用する方向けの方法です。
TxBENCHとは
TxBENCHはWindows上で起動するアプリケーションです。ベンチマーク機能のほか、データ消去機能を備えます。
データ消去機能はSATA形式ストレージ(SSDまたはHDD)のみ対応しています。
Windows10用のアプリケーションです。筆者は実際に確認できていませんが、Windows11でも動くとの情報がインターネット上にあります。

検証した環境
今回、以下の環境にてTxBENCHを使い、SATA-SSDのデータ消去を行いました。
デバイス | 機種名 |
作業するパソコン | ECS LIVA Z2 Windows10 |
データ消去する SATA-SSD | Crucial SSD MX500 2000GB SATA2.5インチ CT2000MX500SSD1/JP |
SATA-SSDケース | Salcar 2.5インチ HDD/SSD アルミケース SATA対応 |
Salcarのアルミケースは筆者のお気に入りでしたが、現在は生産終了になってしまいました(泣)。

SSDケースによってはSecure Eraseができないこともあるようです。しかし、メーカーが違っても仕組みはさほど変わらないはずなので、最近売られているケースならどれでも問題ないと勝手に思っています。
消去がうまく行かないなら、他のSSDケースで試すか、他の手段を探すかになります。
筆者は実機で確認できていませんが、TxBENCHはWindows11環境でも動作するとの情報があります。
手順
TxBENCHをダウンロードする
2025年7月現在、TxBENCHの公式ページは無いのでVectorからダウンロードします。

変なリンクを踏まないように注意しましょう。「動作環境」の項にある「ダウンロードはこちら」を選びます。

「ダウンロード」の項にある「ダウンロードページへ」を選びます。

「このソフトを今すぐダウンロード」を選びます。TxBENCHのダウンロードが始まります。TxBENCHはzipファイルで保存されます。

TxBENCHのダウンロードが完了したら、邪魔にならないところにファイルを移動しましょう。アプリケーションの保存場所を作って、移動してあげると良いです。移動先でzipを解凍して、使用できる状態にします。

TxBENCHでSATA-SSDをSecure Eraseする
準備ができたら、データ消去したいSATA-SSDをSSDケースに入れて、USBでパソコンに接続します。
TxBENCHをダブルクリックして開きます。ユーザーアカウント制御は「はい」を選びます。

TxBENCHを開いたところです。

以下の順に操作して、Secure Eraseを行います。まずは、「Secure Erase(エンハンスドモード)」で試すと良いです。より強力な消去モードです。

Windowsの起動ストレージ(Cドライブ)を選ばないように注意してください。
Windowsの起動ストレージは消去できないようになっていると思います。仮に消去できてしまったらWindowsを含むデータが消えてしまいますので、選ばないよう注意!
もし、「Secure Erase(エンハンスドモード)」でエラーが出る場合は、「Secure Erase」を選んで「開始」します。

いずれにせよ消去が可能ならば、あっという間に完了します。デスクトップ左下のスタートボタンを右クリックして、「ディスクの管理」を開いてSATA-SSDのデータが消えているかを確認すると良いです。
筆者の環境では、データは消去された状態になってました。ただし、データ復旧ソフトなどで詳しく確認したわけではありません。筆者はそのまま外付けSSDとして再利用しました。
上の方でも書きましたが、この消去手段でSSDを手放せるかと言うと、信頼しきれない部分はあるかと思います。再利用向けです。
Secure EraseはHDDにも使用可能ですが、HDDに使用した場合は全領域に0を書き込む動作になるそうです。SSDに比べると、べらぼうに時間がかかるのでご注意ください。
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